【第3回】知っておきたい! メール誤送信対策の基礎知識(対策に有効な機能:クライアントメーラー編)
こんにちは、前回はメール誤送信対策のステップと注意すべきポイントをお話しました。今回からは、対策に有効な機能について、以下の3回に分けてご説明します。
【第3回】クライアントメーラー編(設定・拡張機能でできること) ※今回
【第4回】Office 365, Google Apps編(標準機能でできること)
【第5回】メール誤送信対策製品・サービス編
メール誤送信対策には「運用による対策」と「システムによる対策」があり、「運用による対策」だけでは不十分で「システムによる対策」を併用する必要があることは既にお話しました。では、システムでどのように誤送信対策をするのか、どのような機能が有効なのかを見ていきましょう。
この記事の目次
クライアントメーラーの設定・拡張機能でできること
まずは、クライアントメーラーの設定・拡張機能でできる対策を説明します。有償のメール誤送信対策製品・サービスを早期に導入することが理想的ですが、設定・拡張機能など無償でできることから始めることも大切です。
1. メーラーの名前の自動入力機能(オートコンプリート)をOFFにする
実際に多いメール誤送信のひとつに数えられるものが「宛先間違い」です。宛先間違いでやってしまいがちなのは、同姓の違う組織の方に誤ってメールを送ってしまうことです。「株式会社クオリティアの橋本さん」にメールを送るつもりが、違う会社の同姓の方、例えば「青一商事株式会社の橋本さん」に送ってしまうなどの誤送信です。
これは、メーラーの名前の自動入力機能(メールアドレスの文字列の最初の文字を入力するだけで、合致する候補を列挙してくれる機能)をONにしていると、より発生しやすい誤送信ですので、この機能をOFFにします。
Microsoft Outlookの場合は、以下の手順でOFFにすることができます。
- [ツール] メニューの [オプション] をクリック
- [初期設定] タブの [メール オプション] をクリックし、[メールの詳細オプション] をクリック
- [[宛先]、[CC]、[BCC] フィールドを入力する時に名前の候補を表示する] チェック ボックスをOFFにする
2. アドレス帳に登録する文字列を分かりやすくする
名前の自動入力機能をOFFにしない場合、ONにしていても宛先間違いを起こしにくいように、アドレス帳に登録する文字列で会社名などを判別しやすく工夫します。
例:【クオリティア】橋本 八郎(はしもとはちろう)
[QUALITIA](営業部)橋本 八郎
3. クライアントメーラーの設定変更、拡張機能(アドオン)
Microsoft Outlookの場合
以下の手順で「メッセージを直ちに送信する」のチェックボックスからチェックを外すと、送信ボタンを押してもすぐにはメールが送信されず「送信トレイ」に一旦保存されるようになります。
- [ファイル]から[オプション]を選択
- [詳細設定]をクリック
- [送受信]の項目にある「接続したら直ちに送信する」というチェックボックスからチェックを外す
- 「OK」を押して反映
「送信トレイ」に保存されたメールを実際に送信するには、[送受信]タブから[すべてのフォルダーを送受信]をクリックします。
Thunderbirdの場合
Thunderbirdでは、誤送信対策に有効な2つの拡張機能(アドオン)が用意されています。
1つ目は、「Confirm-Address」。アドオンの[設定]から[Confirm-Address設定]を開き、所属組織のメールアドレスのドメイン名を指定しておくと、そのドメイン以外の宛先(外部の宛先)にメールを送信しようとすると、確認のダイアログが表示されるようになります。
また、同じく[Confirm-Address設定]の「[送信]ボタン押下後にカウントダウンを開始する」のチェックボックスにチェックし秒数を入れると、設定した秒数が経過するまでメールが送信されなくなります。
2つ目は、「Check and Send」。こちらもアドオンの[設定]から[Check and Send設定]を開き、設定します。メールの件名、または本文に「添付」の記載があるのにファイルが添付されていない場合、アラートを出す機能です。また、添付ファイルのサイズが設定したサイズを超えていたら、アラートを出すようにすることもできます。
「Check and Send」の画面
Becky! の場合
Becky! は、メールの送信前に宛先をダイアログで確認できる機能を備えています。
以下の手順で設定します。
- [ツール]の[全般的な設定]をクリック
- [送信]のタブを選択
- 「送信前に必ず宛先を確認」のチェックボックスにチェックを入れる
[例外]ボタンをクリックすると、例外のドメインやメールアドレスを設定できますので、社内や関連会社などへのメール送信時に都度ダイアログを表示させることを防ぐことができます。
次回は「対策に有効な機能:Office 365, Google Apps編(標準機能でできること)」です。